プロフィール

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はじめまして、inazenです。

人口数千人の町で妻と子供2人の4人で暮らしています。

大学を卒業して首都圏に住んでいましたが、2011年の震災をきっかけに2回の移住を経て今のところに居ます。

私たちがこの町に辿り着いた経緯と実際に田舎で暮らして感じたことをシェアできればと思います。

あの震災が全ての始まり

2011年3月11日、あの震災があった日を境に別世界に来てしまった。

そういう感覚でした。

ちょうど今(2020年)のコロナ禍のように何の前触れもなく。

あの日…

いつも通り仕事をしていた金曜の午後、突然経験したことがない揺れが襲ってきました。当時高層階にいた私はものすごい揺れにビルが折れてしまうのではないかと、死をも覚悟しました。揺れが落ち着き、夕方に情報集めするとワンセグで津波被害、プラント火災、渋滞に帰宅困難が報じられていました。

帰宅命令は直ぐに出て私は帰路に就きました。電車でも1時間かかる通勤路をひたすら歩きました。

妻の待つ家に帰らなければ、と。

携帯電話のバッテリーを気にしながら、時々安否確認をしていた妻に会えたのは、発生から7時間ほど経ってのこと。

Inazen
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高層階で揺れを経験し、死を覚悟した身からすると、無事に妻の顔をみることができたときは夢と現実が混じった不思議な感覚でした。

今後どうなってしまうのか不安で、二人でずっとテレビを観ていました。

そんな中、原発が爆発事故。

政府の対応も頼りないどころか不信感が募ることばかり。

私たちはいつでも避難できるように車に荷物を積んでいました。

Inazen
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いつまで続くとも知れず、もうストレスは限界にきていました。

しかし状況は変化し、新事実も後から判明するなど、今後の安全性は誰にも分からない。

楽観的な予想はありましたが、それが覆されたら、それこそ大後悔することになる。

こうして、およそ10年住んだ首都圏を離れることを決意しました。

安心を求めて

仕事にはやりがいを感じ、あと数年で主任クラスになろうかという年齢でしたが、辞めることを宣告しました。

上司は、え?マジ?という反応でしたが想定内。

Inazen
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「なんのために生きているのか?」の原点にまで立ち返り、仕事よりも安心できる生活を選択しました。

いくらやりがいがあって給料がよくても、それで安心が得られず、家族の未来を描けないのであれば何の意味もない。

安心して暮らして、その生活の中で子供が生まれて、安全な環境で育てたい。

その一点でした。

Inazen
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二人の意思がそうと決まったことで、かなり前向きになりました。

私たちが求める安心を基本とした田舎像は日本全国に無数にあったので、

自然や二人の趣味である温泉など付加価値的な特徴のある地域に絞って決めました。

そして今回の移住は恒久的ではなく、一時的という位置付けにしました。

Inazen
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というのも、地域に馴染めずに失敗して再移住することも想定していたからです。今でこそ各自治体は移住政策に力を入れていますが、当時はそういった支援もなかったので、不安は小さくはありませんでした。

不安はやっぱりお金(仕事)

話し合いを重ねて、移住後のことについても認識合わせしました。

お互いに一番不安だったのはやはり仕事。

ただ、それまでの貯蓄が心の余裕になり、場所に縛られない自営業の開業を目指してみることに。

帰宅困難の経験から、家が職場になれば!という思いがありました。

Inazen
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二人とも会社勤めで自営業など意識もしたことがなかったため、フランチャイズを検討することに。べんり屋、そうじ屋など検討しましたが、当該地域の募集はなく、フランチャイズの線はなくなりました。

ですが、素人が考えて直ぐに見つかるわけもなく、ついに引っ越しの日が来てしまいました。

結局、移住先での仕事は行ってから決めるという、まさかのノープランに。

そして移住

引っ越し後は、役所への手続きや、地域への挨拶回り、不足分を買い足しすなどやらなければいけないことが沢山。

3か月ほどで100万円近く使っていました(うち引っ越し代が25万円)

ガソリンなどこまごました物の他に、健康保険料の支払いは計算外でした。

月に5万円以上払っていたと思います。

Inazen
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会社を辞めた後は、会社の健康保険を任意継続(最長2年間)するか、国民健康保険に切り替えなければいけません。メリットやデメリットもありますが、私は金額が安いという理由で任意継続を選びました。

家賃と同じくらいの保険料を納めなければならず、貯蓄が思いがけず減っていきました。

「収入をどうにかしないと」

気持ちが焦りました。

でも、モチベーションが保てない仕事は続かないし、無理して続けるとシワ寄せが生活に来る。

そこに幸せはなく、この移住自体が失敗に終わる。

そう直感し、簡単に就職することはできませんでした。

Inazen
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慎重になっていたのと、自営業の道を完全に諦めきれていない自分がいました。

そして移住から半年後、ついに失業手当も切れてしまい、完全な無収入状態に突入したのです。

時間切れからの逆転

私たちが引っ越すきっかけになった大震災。それは記憶にないほどの円高も生み出しました。

これほどの円高、並行輸入の販売ならいけそうだ。そう直感しました。

ここで頼ったのは昔の同僚。当時アメリカに居ることを知り早速連絡しました。

元同僚が快諾してくれたおかげで、自営業として生活ができるまで拡大させることができました。そしてそれは2015年の円安到来まで収入の柱となりました。

Inazen
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たまたま会社員時代にFXをやっていたおかげ(?)か、円高を利用できるのではないか、という発想にいたりました。

その後はブログやサイト運営に軸を移すとともに、生活コストを下げるため再移住して現在に至ります。

危機が迫れば対応する。

首都圏を離れたときのように、リスクに対応した結果、今の町に辿り着きました。

生活コストは引っ越し前よりも10万円(家賃が6万円+保育料が4万円)ほど下がり生活苦がほぼなくなりました。

3才未満児の保育料も無料のため、2人目の浮いた保育料も含めると再移住のコストも完全にカバーしプラスに転じました。

現在の私たちにとって、ここが2人の子供と一緒に生活していく場所として最適だと確信しています。

ここへ来ていなければ、2人目の子は考えることもできなかったと思います。

ライフステージに合った田舎暮らし

田舎暮らしを始める人の目的はそれぞれですが、私は実体験からライフステージに合った田舎暮らしを提案していきたいと思います。

「田舎は物価が安い」と聞いたことがありますが、チェーン店が全国にあり、物流が隅々までいきわたっている現在、ほとんどの価格はどこでも同じです。マクドナルドなど価格差を設定する企業もありますが、微々たるものです。

ズバリ田舎で実際に安いのは土地、地もの(野菜、魚)で、特に前者が支配的です。

逆にガス代や(自営業なら)国民健康保険など高くなるものありますし、自動車の維持費などそれまで支出になかったものが発生します。

田舎暮らしに生活コストのダウンを期待するなら、土地の安さの恩恵(家賃や家の取得代)がコスト増分を上回らなければ意味がありません。

私たちの場合、リフォーム込みで400万円の空き家を購入しました。そしてそのうち半分を移住者優遇制度のある自治体が負担してくれたので、実質200万円でした。引っ越してくるだけで200万円!

残りの200万円も、引っ越し前の固定費(家賃6+保育料4万円の年120万円)を充てたと考えると、たった2年足らずで元が取れてしまうことが簡単な計算で分かりました。その他にも今の町には魅力的なものが沢山あり、即断即決で半年後には移住していました。

Inazen
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移住の助成制度があれば田舎暮らしのハードルも一気に下がります。特に今は子育て支援を掲げた自治体が多く、優遇制度が向上している印象ですので該当世帯はチャンスとも言えます。

私が特に訴えたい人は東京に住んでいる人です。

まずは国交省の資料を見てみてください。中間層に限れば、東京の経済的豊かさは全国最下位なんです。東京は賃金も高いですが、家賃やサービスも高く、そして何をするにもお金がかかります。

たくさん働いて稼いで、たくさんのお金を使う。ここから脱却することをおすすめします。

お金をあまり使わない分、時間をもっと自由に使える可能性が田舎暮らし(低生活費)にはあります。今の家の固定資産税は年1万円以下です。以前は月6万円(これでもかなり低いですが)を払っていたので71万円/年が浮きました。時給1000円として、710時間/年(≒2時間/日)が浮く計算です。この時間、私は自分の趣味や子供と接する時間にあてています。

田舎暮らし(引っ越し)の一番の懸念点はやっぱり仕事(収入)です。仕事は尊厳。働く誇りがなければ続きません。逆に言えば仕事さえクリアできれば田舎暮らしの問題はほとんどクリアしています。

コロナ禍はリモートワークを普及させました。これからネットで仕事をしたいという方にはものすごいチャンスが訪れているのではないでしょうか。都市部で働いていた程の収入は無くても余裕のある暮らし。その可能性を検討してみませんか?

私の発信で田舎暮らしの生活のイメージをもって頂けたらと思います。私たちのような核家族に明るい選択肢を示すことができればうれしく思います。

inazen

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